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>>選択式御題 46日目
13.「この手に託された」





「ありがとう」
 そう言って彼は手を差し出した。私は半ば反射的にその手を握った。彼の向こうの窓から強い西日が射し、目の奥に青い光が明滅する。不快な輝きだ。それは安っぽく言えば、命のエネルギーだ。どんな発電法で得た光よりも、安くて脆い光だ。気分が悪くなり、彼が嗚咽を漏らした。
「ちょっ、何て事をするんだろう! 痛むんだ。離したまえ」
 黙れ、と思った。世界中に喧伝して回りたかった。この男は私に向かって、あろう事か「離せ」などとほざいたのである。ありうべからざる事だ。
 瞼の裏の青い光が一つ脈打ち、うねり、巨大化し、ザワザワと分岐しては圧縮し、やがて一人の女の顔を形作った。名前は知らない。いや、一度は耳にしたはずだが忘れてしまった。
 友人の結婚式で初めて出会い、一度も会話を交わすことなく、帰りの駅で別れた女だ。
 彼女が私の友人とどういう関係かも知らない。声も忘れた――これも最初から知らなかったように思うが、分からない――。
 友人の結婚式は楽しかった。珍しいことである。私は浮かれた席が苦手なのだ。しかし私は翌日、早朝から予定があったために、二次会は遠慮して帰ることになったのだ。もしも付いて行ったりしたら、私を知る者たちは仰天していただろう。そういう姿を見るという楽しみがなくもないが、予定は外せない。
 そして、友人の関係者の一人と、駅のホームに立ったのである。
 そして、彼女は落ちたのである。
 その前に何かを落としていたような気もするが、衝動的に落とされたような気もする。私が押したのかも知れぬ。ともかく、彼女は落ちたのだ。
 私は半ば反射的に彼女の手を握った。そして渾身の力で以ってそれを引き上げたのだが、彼女は驚くほど軽く、私は勢いよく尻餅をつき、一息つき、肘より向こうが電車の銀色に彩られた彼女に微笑んだ。
 その後。20分間。
 私は彼女の手を握り続けた。
 何人かが二人を引き離そうとしたのだが、難しかったようである。何せ私は、一世一代の全力を維持していたのだ。
 静止した電車の青い光を見出したとたん、安堵したように力が抜けた。
 お分かりいただけたであろうか。誰も私の握手から逃れることは出来ない。私が許すまで。
 彼の左拳が西日に紛れて目前へとせまってきているが、知ったことではない。



   かんれん!

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