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>>蜘蛛の意図
1(2/5)


 つまらないわたくしが、ただ一つだけ自慢に思うところがございます。自慢だなんて、大それたことを、と人は仰られるようですが、それまで失ってしまっては、わたくし、生きるに忍びございません。死ぬしかないのです。どうか、こればかりはお許しいただきたいのでございます。
 さて、その自慢というのが、糸を紡いで作り上げた、この家でございます。想い出を持たないわたくしにとっての、これが小さな情懐なのでございます。飾りっ気も何も無い、宙に浮いたただの床のようなものですが、わたくしの唯一の自慢にして、アイデンティティなるものにございます。わたくし自身は取るに足らぬ女でございますが、この糸の家は地味で質素で、しかし美しいものであると自負しております。暗闇の中では完全に姿を隠しますが、朝日が昇ると、きらきらと嫌味無く輝くのでございます。朝露に濡れた時など、自分でもはしたなく感動することがございます。ただ光れば良いというものでは当然ございません。目立ってはならないのです。あまりに目立てば、鳥や野犬に襲われます。それに、過剰な表現は美しくありません。無闇に誇示してはいけません。
 陽の光の下でも自然に溶け込み、それでいて美しさをも発揮するのです。
 一本一本丹精を込めて紡ぎ上げ、少しでも破損しようものなら、速やかに補填しております。常に幾何学的で規則正しい形を保つようにしているのでございます。そう、この、形というのも美しいものであると自負しております。醜く歪んだ家では、どんなきらめきも、ただ下品で目障り極まりない、不躾な様相を呈するというものでございます。しかも、歪んだ家というのは不便でございます。ここからそこへ、あちらから向こうへと渡ろうとした時に、円滑に参りません。不自由でございます。人は規則的な完璧な世界というものに対してこそ不自由を感ずるものであると聞き及んでおりますが、そんなことはございません。真に美しいものというのは、歪んだものより何倍も自由でございます。
 わたくしの一族には、床を作る者と、壁を作る者とがおります。どうやら壁を作る者の方が名が通っておるようですが、わたくしはこの、地面に水平な輝く床に誇りを持っております。
 他にも数本の、或いはただ一本の糸だけで家と称する者や、複雑で立体的な家を作る者、それにそもそも特定の家を持たずに地を這ったり穴を掘ったりする者などがおりますが、わたくしはこれらを認めません。壁を家と呼ぶことなど出来ようも無く、数本の糸で暮らす者、あれはいかにも野蛮でございます。天衣無縫などと唄っておるようですが、わたくしに言わせれば高飛車にございます。ましてや家を作らずに徘徊するなんてとんでもありません。彼らの強さは注目すべきところではあるのでしょうが、美しくありません。立体的な家は、わたくしには真似の出来ない技術と知能の表れでございますが、しかし、少々蛇足気味に思われます。何だか威圧的に思われるのです。過剰な表現は卑屈の表れなのです。
 こんな、一族の者を否定するようなことを思うのは不遜でございましょうか。それほどまでに、わたくしはこの水平な家に自信を持っていると言いたいのです。願わくばお許しください。
 唯一、なのです。こればかりは、譲ることが出来ません。これが許されぬとあれば、先ほど申し上げたとおり、わたくしは死にます。何の苦もなく死にます。この糸で作られた家だけが、わたくしの生きる全てでございます。
   かんれん!

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